50年たっても色褪せない"東南アジア紀行"-梅棹忠夫 [海外旅行の周辺]
「東南アジア紀行」(著者:梅棹忠夫)。
1957年にタイ・ラオス・カンボジア・ベトナムの4カ国を学術調査で訪れた大阪市立大学一行の東南アジア紀行。つまり遡る事50年も前の話。
今では気軽にOLさんでも行ける東南アジアも、当時は学術調査といえど大変な苦労が伴った。調査隊の車は自動車会社と掛け合って提供してもらい、輸送は船会社をスポンサーにつけ運んでもらったりと、「学術」の前に乗り越えねばならない壁が山ほどある。
筆者は「文明の生態史観」なる著作を持つ、日本の文化人類学の第一人者であるにもかかわらず、逞しい行動力でこれらの困難を乗り越え、調査隊を送り出し、すばらしい成果を挙げることに成功する。
「学術」についてはちんぷんかんぷんの僕だが、この「東南アジア紀行」は「学術」を離れ、知能の低い僕でも、面白く楽しめる紀行文だ。
ベトナム戦争やポルポト内戦前の、わずかに平和だった時期のインドシナの風物がイキイキと描かれている。ラオスのくだりになると、50年前と今も大して変わらないじゃんと思えるから愉快だ。
それにしても、(困難だけど)楽しい旅を通じて研究成果をあげるなんて、カッコイイね。
そんな著者が、つい先日90歳で亡くなったと聞いてこれまたびっくり。もうとっくに他界されたと思っていたので、、、
ともかく、亡くなるまで知的生産生活を続けられていたなんて、偉大な人は偉大だ。
そして、この知的巨人の観察眼を通した紀行文は、50年たった今もビビッドで色褪せていない。
1957年にタイ・ラオス・カンボジア・ベトナムの4カ国を学術調査で訪れた大阪市立大学一行の東南アジア紀行。つまり遡る事50年も前の話。
今では気軽にOLさんでも行ける東南アジアも、当時は学術調査といえど大変な苦労が伴った。調査隊の車は自動車会社と掛け合って提供してもらい、輸送は船会社をスポンサーにつけ運んでもらったりと、「学術」の前に乗り越えねばならない壁が山ほどある。
筆者は「文明の生態史観」なる著作を持つ、日本の文化人類学の第一人者であるにもかかわらず、逞しい行動力でこれらの困難を乗り越え、調査隊を送り出し、すばらしい成果を挙げることに成功する。
「学術」についてはちんぷんかんぷんの僕だが、この「東南アジア紀行」は「学術」を離れ、知能の低い僕でも、面白く楽しめる紀行文だ。
ベトナム戦争やポルポト内戦前の、わずかに平和だった時期のインドシナの風物がイキイキと描かれている。ラオスのくだりになると、50年前と今も大して変わらないじゃんと思えるから愉快だ。
それにしても、(困難だけど)楽しい旅を通じて研究成果をあげるなんて、カッコイイね。
そんな著者が、つい先日90歳で亡くなったと聞いてこれまたびっくり。もうとっくに他界されたと思っていたので、、、
ともかく、亡くなるまで知的生産生活を続けられていたなんて、偉大な人は偉大だ。
そして、この知的巨人の観察眼を通した紀行文は、50年たった今もビビッドで色褪せていない。
〔旅の口コミ〕 |
2010-07-07 19:25
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コメント(2)
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大戦後の平和な東南アジアについて書かれた本は読んだことがありません。是非読んでみたいと思います。
by シモン (2010-07-11 00:17)
シモンさん
> 大戦後の平和な東南アジアについて書かれた本は読んだことがありません。
嵐の前の静けさの時期だったのでしょう。その後調査隊が訪れた国々は悲劇的な内戦に突入してしまいます。
そのつかの間の平和な時期に、これらの国々を訪れることのできた日本人は限られていますから、本書は貴重な記録でもありますね。
by TOSIYA (2010-07-11 08:32)